DYGL

October 2019 @ SUNSET TAVERN, Seattle, WA –

フジロック19のレッドマーキーで演奏したという日本のバンド、DYGL (デイグロー) が、北米ヘッドライナーツアー中にシアトルに立ち寄ってくれました。

DYGLの音源をストリーミングで何度も聞いた印象といえば、アルバムをアルバート・ハモンド Jr がプロデュースしたことからも分かるように、シンプルな8ビートの上に乾いたツインギターが絡むサウンドがとてもストロークスっぽいです。でも日本の知名度もまだそう高くないバンドでありながら、海外をツアーして回るチャレンジを自らに課す若者達がいるなんて、なんとも素晴らしいことじゃないですか。

会場はシアトル北部のバラード地区にある Sunset Tavern というライブハウス。13ドルのチケットは前売りで購入済み。前座が終わった頃を見計らってフロアに滑り込むと、あらー、やっぱこんな感じですか。

メンバー自らセットアップ中のステージを待つお客さんは今のところ20人ぐらいでしょうか。実際に数えたから間違いないです。200人キャパの 1 割の入りということですね。実力の有無に関わらず、ポッと出のバンドの集客の厳しさを見せつけられた気がします。

ステージ上で機材調整が終わってから5分後にメンバーが再登場。ウィキペディアからの受け売り&コピペですが、ギター x 2、ベース、ドラム各 1 のメンバー4人構成。

「I ….  We’re from Tokyo, Japan」という秋山君の自己紹介から、今年ドロップされたニューアルバムの1曲目「Hard to Love」でDYGLのショーがスタート。

曲は全編英詩。発音がとてもいいので言われなきゃ日本人のバンドだとには思えません。どこで英語を勉強したのかなぁ、すごいなぁ、と関心しながら歌と曲間のMCを聞いていました。ただ、メインボーカルを除くコーラス陣の発音はちゃんと日本人っぽいのでちょっと安心。w)

各演者の外観は下北沢の古着屋でコーディネートしたような雰囲気。

流れるような英語のMCの後にきた「Bad Kicks」は前のめりなガレージパンクっぽくてかっこいいなぁ。

西海岸ツアーの話、ロンドン生活の話、曲の裏話的な話、どれをとってもきれいな英語でそつがなく、というか言われなければ日本人と気が付かないです。とは言えネイティブ並みかと云われるとそこまで行かないのがまたいいですね。

ストロークス的なメロディを思いつきましたー!とメンバーにぶっちゃけてほしい「A Paper Dream」もこれまたかっこよかったです。

ステージ左側の下中君のラージヘッドでローズウッド指板の白いストラトキャスターって、ディープパープル?!リッチーブラックモア?!と思っちゃいましたけど、プレースタイルは全然違います。目立たないけどもっとセンスがいいです。

足元のエフェクターの数も半端ないし。

白ストラトでロン毛の下中君は10個ぐらい、黒ストラトでボーカルの秋山君も5個以上のコンパクトエフェクターをつなげています。横にあるセットリストとともにマジマジと見ちゃいました。

最終的にちょっと増えたお客さんを加えても30人ほどなので盛り上がっているとか盛り上がっていないとかそういう物差しでは測れないのではありますが、熱心なファン、もしくはギターロックバカがいて楽しかったですよ。間違いなく最年長は昭和生まれのワタクシでしたけど。

「あと2曲。」と言って始まった「Don’t You Wanna Dance in This Heaven?」は名曲ですね。とても癖になります。バッキングは E7 のローコードなのかー、とか思いながらボーカルの秋山君の手元を見ていました。

1時間ちょいのライブが終わるとボーカルの秋山君がドラムの嘉本君にグータッチ。袖に下がることなくそのまま機材撤収を開始したメンバーに向かってセットリストの紙を指さしながら

「これもらってもいいですか?」

と日本語で声を掛けてみました。

「どうぞ」

と秋山君が言うので1枚いただきました。

「ナイスなショーで最高でした」的なことを言ったら、ギターの下中君にニコリとされ「ありがとうございます」。風貌とミスマッチな、意外にカワイイスマイルじゃないか。

しかしもうちょっと気の利いたことを言えよオレ。

平日火曜の夜、極寒のシアトルの端っこのライブハウスで集客的にちょっと厳しくはありましたが、これに懲りずにまた来てください! 手抜きなしのパフォーマンスに感動しましたマジで。

(21:05-22:10)