MIYAVI

October 2021 @ NEUMOS, Seattle, WA –

日本のサムライギタリストMIYAVIが2年ぶりにシアトルにやってきました。

ワシントン大学近くのNeptune Theatreで2年前に観たのが最後で、彼のMCによるとコロナ禍は日本に滞在していたそうですね。ここのところずっとアメリカのロサンゼルス在住で、ちょうど昨日ロサンゼルスエンジェルㇲの試合をシアトルに観に行き、大谷翔平が今期最終46本目のソロホームランを目の前でかっ飛ばしたばかりなのでかなりタイムリーな感じです。試合中、MIYAVIはシアトル市内観光をしていたようですが。w

実は数週間前に会場が変わりました。Crocodile という老舗のライブハウスから、ちょっと小さめのNeumosというハコに変更。チケットの売れ行きの問題なのかわかりませんが、フロアは満員とはいかず6-7割ぐらいの入りだったでしょうか。

このNeumosはシアトルの「Capitol Hill」という地区にあり、BLM 関連のデモや暴動が頻発したエリアです。コロナでライブ演奏が自粛されていたこともあり、Capitol Hillに来るのは本当に久しぶり。暴動の爪痕は微塵も感じず、洒落たバーやレストランの並ぶ相変わらず魅力的。

しかし1週間前のローリング・ストーンズから今回のMIYAVIって、相当なギャップがありますね。会場の大きさもそうなんですけど、客層がいきなり孫の世代になりましたw 着用が必須なマスクで顔の大部分が隠れているので正確にはわからないんですけど、平均年齢は20代前半とかですよねきっと。MCで40歳になったと言っていたMIYAVIのソロ活動自体は20年近くになるので年齢層はもっとオールドでも不思議じゃないんですが、意外にみんな若い。なのでボクはとても居づらい。

たぶん前座はなかったと思います。いろいろ事前に調べたんですが、ここまでのカナダツアーでオープニングアクトが付いた様子がなく、かつ今後のアメリカツアーでも前座の情報が見当たらなかったので、早めの時間に始まるものと予想して会場入りしました。そして10分後に自ら「コロナウイルスのよう」と見た目を評したジャケットを羽織ったMIYAVIのライブが始まりました。

日本のアニメキャラが実物になったようなシャープなシルエットは変わらず。

カスタマイズされたオーダーメイドのテレキャスモデルを弾きまくりながらヘッドセットマイクで歌ういつも通りのスタイル。スタンドに乗ったマイクでも歌うんですけど、フットスイッチを切り替え忘れたのか、マイクが声を拾えていないこともありました。

さらにギターアンプ関連の機材トラブルが多く、曲が途中で止まることもありました。その都度ローディーがステージに上がり機材修復にあたります。顔では笑ってましたけど、心の中では相当にイライラしてたんじゃないかなぁと思います。

メンバー紹介でいきなり名前を間違えられていた、おそらくアメリカツアー帯同オンリーのドラム、イケメンキーボード&テック、そして前回のライブにはいなかったコーラス隊。このボーカル女性2人がかわいらしかったですね。特に左の子。w 右の子はシアトル出身だそうで、さかんに声援を浴びていたし、フロアの知り合いに盛んに手を振ってました。

個人的には演奏よりもMIYAVIのMCのほうが長く感じました。

いろいろ話してたなぁ。

シアトルはカナダとの国境から車で2時間ちょっとのところにあるんですが、バンクーバーでのライブ後に国境を超えるときに審査官から「俺はおまえを知っている。ミュージシャンだろ。だから通ってよし。」と言われたそうで、「俺はお前のライブに行く予定だから。」ということで、MIYAVIが「このどっかにいるはずなんだけどー!」と探すと、実際にフロアの真ん中、というか自分の右隣りにその審査官がいました。びっくりはしたけど、国境関連の人って、自分の身分が簡単にバレてもいいのかなー。w

あとシアトルの日本国総領事館に行き、その関係者も招かれていました。ボクのヨメが3日後から領事館でパートタイムで働くんだけどなぁ、タイミング的に惜しかったなぁ、などとボンヤリと考えていました。

かなり愛聴していた最新アルバム「Imaginary」から1曲ぐらいしかやらなかったんじゃないかな。なんかソロキャリアを網羅するような構成になっていた気がします。

日本では特に大きな話題になることもないようですが、大谷翔平に負けず劣らずこの人はすごいですよ。ライブハウスとはいえ、北米を定期的に隈なくツアーできて、確実に現地のファンの心を掴んでいて、かつ即興でジョークを言えるぐらいに英語もうまい。かといってアメリカのカルチャーに100%染まることなく日本人としてのアイデンティティーを保ち、アートとして昇華させ、それによって唯一無二のユニークな存在となっています。

(20:08-22:00)